親子関係を表す言葉として、「毒親」「親ガチャ」という言葉がここ数年、聞かれるようになりました。
今回は「毒親」について考えてみましょう。

毒親とは?毒親の定義

「毒親」とは、子どもとの関係を健全に築けず、子どもの将来に対してさまざまな悪影響を及ぼす、子どもにとって「毒になる親」を指す用語です。毒親は子どもに対して身体的、精神的な虐待を行ったり、過干渉や過保護になり、過度な支配・管理を行い、価値観の押し付けなどによって子どもの心身の発達に悪い影響を及ぼします。

人にはそれぞれ生まれ持った気質(性格)があります。でもそれ以上に、どのような環境で育ったのかがあなたの性格に大きく関係していることがあります。

毒親のタイプと子どもの性格

次に代表的な毒親と呼ばれる親のタイプと子どもの性格について挙げてみたいと思います。

過保護で過干渉な親に育てられた子ども

過保護な親は、子どもを危険や失敗から守ろうとする一方で、子どもの自立心や自己決定能力を奪ってしまうことがあります。親がいつも先回りして子どもを守り、問題を解決してしまうと、子どもは自分自身で成功や失敗を経験する機会を奪われ、自分自身の意思決定力を育てる機会を逃すことになります。

その結果、自己肯定感が低く、自信がもてず、自分で考えて決めることができなくなってしまいます。そして子どもは自立心や自己解決能力を獲得できず、大人になっても親に対して強い依存心を抱きやすくなります。

管理・支配的な親に育てられた子ども

支配的な親は、子どもの行動や選択に対して過度に介入し、親自身の意見や価値観を押し付ける傾向があります。子どもは親が押し付けるルールや規則に従うことが求められ、自分の考えや気持ちに蓋をし、従順に振る舞うようになっていく傾向があります。親の意見や価値観を受け入れることが重要視されるので、自己主張や自己表現ができず、自尊心を持てなかったり自己評価の低い子どもになってしまう可能性があります。

また親の制御的な態度は、子どもにとっては常に評価や批判を受けると感じられます。その結果、子どもは何をするにも不安や恐怖を感じやすく、他人と関わっていくことに困難さを感じるようになる可能性があります。

期待が大きすぎる親に育てられた子ども

子どものためと期待しすぎるのは、じつは親自身のためかもしれません。親が子どもの人生を親自身の自己実現に利用していることに無自覚で、親子の間でどこまでが自分の領域で、どこから先が相手の領域なのかを意識できていないことがあります。このような親は子どもの世話に重点を置き、子どもの生活に強く介入します。

一方で、子どもは親の関心を得ることで自己肯定感を持とうとするので、親の期待に応えようとするケースがよくあります。その結果、子どもは自分を犠牲にし、親の期待を優先しようとするので、自分が何をしていきたいのか、どのような人間になりたいのか、など「自分」を育てていくことができません。

まとめ

毒親との関係に悩んだときはどうすればよいのでしょうか。親子関係を何とか改善したいという人もいれば、毒親との縁を切りたいと思う人もいるでしょう。あるいは、どうすればよいのか分からないという人もいるかもしれません。

もし自分が毒親の影響を受けていると感じている場合、時間がかかることがありますが、心理療法やカウンセリングなどを受けることで、自分自身の価値を取り戻し、心の傷を癒すことができるかもしれません。

本相談室でもこのようなご相談をお受けすることができます。自分が何をして、どのような人生を歩んでいきたいのか、考えていくことで、徐々に毒親から心理的に距離を置くことができるでしょう。お気軽にご相談ください。

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